受動的から能動的に変える方法

部下やメンバーが受動的、仕事が作業になっているといったご相談をいただきます。様々な要因がありますが、私たちSNOPPIcreationの中でその答えになる事例があったので記しておきます。

①受動的に何故なってしまうのか

②あなたの本当の役割は?

③役割を果たせるようになるためには

④信用するために信用できるようにする

①受動的に何故なってしまうのか

受動的になってしまう環境を作っていないか?この視点でとらえると少し見え方が変わってくるかもしれません。すのっぴーずは業務委託のため、受動的な方に仕事はお願いしません(というよりも、受動的=お願いするタイミングがなかなか出てこない)仕事を依頼する入り口の時点で能動的だからこそ、こちらもお願いするといった流れです。

部下やメンバーが受動的だから能動的に変えるのか、能動的にならざるを得ない環境にするのかといったこともあるかもしれません(終身雇用というスタイルの中で生まれた弊害かもしれません。一方で、終身雇用は人々の生活を守るためにも機能しているので、何とも言えませんが・・・企業が求める「能動的な人」を減らす要因にはなっていると思います。

②あなたの本当の役割は?

「あなたの」本当の役割は何でしょう?まだまだプレイングマネージャーが中小企業ではほとんどですし、私自身もそうです。日本の企業だと、現場の作業ができた人が昇格するようになっていますが、現場の作業と、マネージャーの作業は別物です。

マネージャーの作業はメンバーが能力を最大限に発揮して動けるように環境を整えたり、能力発揮するための関わりをしたりする「縁の下の力持ち」だと(私は)思っています。そのマネージャーがこれらの作業を怠って今まで得意としていた「現場の作業」に徹した場合や、現場の作業は行わないにしても作業の細かなところまで関わる(指示出す)やり方をしていると、一時的な数字は伸びますが、そのマネージャーの上限を超えることはできません。

私自身、本当は「キャリアコンサルタントの技術」が大好きで、ロープレに参加したり、勉強会に参加したり、技術を磨きたい欲があります。一方で、企業理念を達成するためには技術は他のメンバーに任せる必要があると考えています(とはいえ、私ができてるかというと・・・もっともっと手放すべきだと思います。実際、勉強会なんて出てしまうとまた心が引き戻されそうになります・・・)

③役割を果たせるようになるためには

「あなたの本当の役割」を全うすることができるようになるためには、様々な心理的なハードルがあります。

私のように、やりたいこと・大切なことの優先順位をつける必要もあるかもしれません(自己分析を行い、1番目が企業理念の達成、2番目が技術者としての自分と納得できました)

もう1つ重要なことがあります。それは「自分がやってきた現場作業の部分を任せられるメンバーがいるかどうか」です。私が歴は長くはないものの、自分なりに最大限の品質・技術を納品してきたつもりです。それを他人に任せるというのは勇気がいります(正直怖い・・・怖さしかない)でもこれをやらないといけないのです。

④信用するために信用できるようにする

品質や技術が信用できないから任せないのかというと本末転倒なので、任せるようにしなくてはいけません。任せられないのはメンバーや部下のせいではないと思っています。任せられない状況を自分で作っていると思っています。

スノッピの中には「技術書の読書会」「ロープレ」「技術についての情報シェア」「内省(自己基盤強化)のためのクライアント体験」「疑問に思ったことをサラッと聞ける環境」といったような機会や環境が用意されています。(手放すべきなのに手放せないときは、任せられない理由を内省して探し、仕掛けを作って安心するを繰り返しています)私はその機会の時に、どんな技術を持っているのか、どんな思いを持っているのかを確認するようにしています。この機会にたくさん参加しているメンバーはその分能動的とも言えるため安心してお願いできる関係性を築くことができています。

とはいえ、勉強の場と、実践では、大きな壁があります。技術職には終わりはありません。ある一線を越えているメンバーにはお仕事をお願いするようにしています。仕事を任せるというのは「鶏と卵」のような気がしています。現場を実践でこなすからこそ力が付きます。マネージャーはある程度のところで「えいやー」で野に放たなければ、育つものも育ちません。でも、何もなしに外に放り出すのは、メンバーにも、お客様にも失礼です「えいや-」で放つにしても「この人ならもう大丈夫」と思えるラインまで「教育の機会」と「信頼関係」と「コミュニケーション」が築けているか、それはマネージャーの方が整え、提供するものだと思います(昔ながらの「背中を見て育て」という部下やメンバーに期待を押し付けるのも違うかなと)

最後に・・・

キャリアコンサルタントのスキルとキャリコン自身の自己理解度(自己基盤)がお客様に提供する「品質」に直結する仕事なので正直、任せるのは怖いです。スキルとして外に出せるボーダーラインは下げることは絶対にありえません。この技術への思いを同じようにとらえてくれる、妥協しないメンバーがたくさんいることで私は安心してお客様と話ができています。どうして安心できるようになったのかというと、スキルを見せてもらう機会やスキルや技術についての想いを聴く機会、できますよといった強い部分だけではなく、できなかった反省部分や弱みも共有できているからだと思います。

今日のブログのテーマは「受動的から能動的に変える方法」でしたが、ある程度の決裁権を渡す(能動的に自ら考え動くことを許可する)場合は細かく管理する(思考停止をうむ)のではなく、信用して任せるしかないと思います。任せるために変えるのはマネージャーの方です。