聴くことができるリーダー

話を聴くことの難しさをわかっている方は多少なりとも話を聴くことができていると思います「聴く」は「聞く」「訊く」とは異なり、耳と心を傾け、相手の話を受容し、共感することです。私たちプロでも、時々分からなくなってしまうことがあります。理由は様々ですが、私が最近陥って考えたことを記してみます(聴くことの重要性はここでは書きません・・長くなってしまうので、聴くことは重要であるというところは大前提とします)

①相手は満たされているか欠けているか

②「どうすればよいのか」はこちらが提供するものではない

③自分の考えが出てきたら羊を数える

④聴く側は「鏡」

①相手は満たされているか欠けているか

相手と向かい合い、会話をする時、アドバイスをする箇所を探しながら聞いてる場合は「相手の中に穴がある、欠けている箇所がある」と思っている状態です。相手のために、何とか役に立ちたいという思いは良いのですが、欠けているという見方をしていること自体も相手に伝わります。

②「どうすればよいのか」はこちらが提供するものではない

何かに困っている人は「どうすればいいですか?」と訊いてきます(ここでの「きく」は尋ねる)相手の役に立ちたいと考えたときに、一番わかりやすい「役に立つ方法」は「どうすればよいのか」の質問に対して「どのようにしたらよいのか」のやり方を答える方法です。相手が知らないであろう、相手が欠けていて持っていないであろう情報を提供することで瞬間は役に立てるかもしれません(もちろんこの方法がはまる場合もあります)

一方で、相手の「どうすればよいですか?」に「どうしたらいいんだろうね。どうすればよいと思う?」と答えた場合、様々な効果が生まれます。例えば、すでに相手が知っている答えや的外れな回答による信頼関係の崩れを防げたり、相手の考える力や成長を促進できたり、相手の中にある最善策を引き出し、それを応援することで更なる信頼関係の構築につなげることができるかもしれません。

③自分の考えが出てきたら羊を数える

これはメンバーに教えてもらった方法で、今日、早速使って良かったので皆さんにも共有します。相手は満たされています、答えは相手の中にあります。相手の中から引き出す方がその後の展開としても良いと頭では分かっていても、相手からの質問に飲み込まれて、自分が考える、自分にとっては最善だと思われる方法で頭がいっぱいになってしまうときもあります。そんな時は、羊を数えて、深呼吸しましょう。

何もこだわりがなく、柔軟で、固定概念も少なく、常に「へーそうなんだ」と思い込める方が話は聴けています。私たちは、経験を積めば積むほど自信もつき、価値観も固定化し、解決策も思いつきやすくなります(大人になるってことですね)

④聴く側は「鏡」

聴く側は何も「わかる」必要はありません。相手そのものや、話の展開に興味を持ち、相手の話や態度すべてを聴きながらも、分かろうとしなくても良いと思っています。

今、世の中は変化が激しく、いくら経験を積んで自信が(自分なりの自信)が付いたとしても、完璧はあり得ません。聴く側が上司や親、先生という立場だから何でも分かっていなくてはいけないというわけではなくて、わからなくても良いんだということを自分で認めて、すべてをわかり、答える役割から、相手の役に立つとは何かを再度考えて、相手の成長や前進を促す関わり役として、相手が自分のことを俯瞰できるような「鏡」としての役割を果たし、相手には自分自身で自分の課題を解決する力があると信じるだけで良いのではないかと考えます。

最後に

これを書いていて(先ほど出てきた羊を含めて笑)思い出した童話?がありました。

羊の群れで育った自分を羊だと思い込んでいたライオンが、年上のライオンに川に連れて行ってもらい自分の顔(ほんとの自分)を見た瞬間、やるべきことが分かったという話でした。

関わる相手のことを信じたい、皆、どうなるのか楽しみだなと思う今日この頃です。