女性の管理職登用について

女性を管理職として配置したい企業様は多いです。よく聞くのは「こんなこと言ったら時代的にどうかとも思うけど、やっぱり女性の方がコミュニケーション上手だよね」といった感じで、組織を円滑に稼働させるためにも管理職にコミュニケーション上手な人を置きたいという意向です。

一方で「打診したんだけど断られた」といったのも良く聞きます。その理由は様々ではありますが、その一つだと感じたものが(私の実体験で)ありましたので記していきます。因みに女性だからと括らず、こういった人が一定数いると頭の片隅に置いておいてほしいです。

①「起きてもいないことを不安がる」を理解する

②大丈夫だよ、見てるよ!を伝える

③期待してるよ!を伝える

④両方伝えるが良い

①「起きてもいないことを不安がる」を理解する

いまこの瞬間ではなく、過去を回想したり未来について思いをめぐらしたりすることを「マインド・ワンダリング(心の迷走)」と言います。私が社会人3年目ぐらいにこれに陥り、今がおろそかになった経験がまさにこれだったと思います。結婚は間近に見えていたのですが、その後にまだどうなるか分からない「家事妊娠出産育児」と仕事とを両立することを考え始めたら知らないうちにグルグルとしてしまいました。

起きてもいないことを不安がるのはおかしなことではありません。生きていくために必要な自分を守る行為です。それが過剰に出てきてしまうときがあります。

②大丈夫だよ、見てるよ!を伝える

組織の中で「管理職になる」ということは責任重大なことですが、その責任をどの程度に捉えるのか「まあ何とかなるでしょ」と思えるようにするのは上長の役割だと思います。

もちろん、その個人のプライベートまでフォローするなんて言えません。なので、できるだけ「管理職」になることや、現時点での仕事について「大丈夫、見てるよ、フォローするよ、できているよ」といいながら、実際苦戦していたら「何とかするから大丈夫だよ」と言いながら万が一の時はフォローもすることで当の本人が頑張れる、能力が発揮できるようになります。当人が安心して気を強く持てる(下支え)だけで実際のフォロー出番は不要な場合もあります。

私事ですが、メンバーに精神的に支えてもらっています。何とかしてもらうつもりはないし、もちろん現実的には自分が責任を取りますが、その前段階に「何とかなるではなくて、何とかするから」とハッキリと言ってくれる安心感でパフォーマンスが高まっているのを感じています。

※「大丈夫な状態」にするためにすべての作業を1~10まで、上長がやってしまうのとは全く違いますのでご注意ください。

③期待してるよ!を伝える

②の「大丈夫だよ、見ているよ」(下支え)だけではなく「期待してるよ!あなたならできるはず!」と可能性を信じて期待を伝えることで、信頼にこたえたい!という気持ちが醸成されて能力発揮するようになります(②によって、さらにその思いは強くなるかもしれません)

④両方伝えるのが良い

先日、②がまだまだ不十分だった方(下支えが十分だと感じられていない、不安と感じている状態の方)に、「期待してる」(引っ張り上げる言葉)を伝えてしまったことがありました。

その時の反応は「期待されても困る」でした。おそらく相手の気持ちとしては「たくさん期待されて、一生懸命に頑張って成果が上げられなくて失敗しても、一方的に私のせいになるかの知れない、そんな責任は負えない、怖い、失敗するかもしれない」といった感じでしょうか。一気にモチベーションが下がるのを感じました。すかさず「大丈夫」の方に切り替えましたが、そのくらいこの両者は異なる励まし方法です。

この両方を使いながら、相手のタイプを見分けて、頻度を調整するのが良いと思っています。

⑤最後に・・・

今日のテーマは「女性管理職の登用」でしたが、女性に限らず、管理職になったり、責任を一定以上追わなければならい状況になったときに、本人とその上長との関係の中で生まれてくる「不安」の量が当人に背負いきれなくなると出てくる問題だと思います。本人のポテンシャルや現状以外にも、上長との関係性によって「責任を負えない」となることもあるということです。