副業の解禁はこわい?①

SNOPPIcreation下大澤です

今日テーマは「副業の解禁について」です。どうしてこのテーマにしたのかというと、すのっぴーず27名(弊社メンバーの通称/サロン内は46名)をまとめ運営する上で非常に大切だと感じている事がそのまま副業の解禁についての課題解決の糸口になると思ったからです。

弊社は全員が業務委託者です。最近はやりの「ジョブ型」といっても良いかもしれません(ジョブ型とは、職務内容を明確に定義し、労働時間管理はせず、人に仕事をつけるのではなく、仕事に人をつけるイメージです)この形だと、プロフェッショナルが最高のスキルで納品してくれるだけではなく、さらに仕事依頼されるように自己研鑽も常に行ってくれます。さらに、当社はフルリモートでの仕事となっていて、コミュニケーションは基本テキスト(LINEやLINEワークス)です。ミーティングはZOOMで行い、所属何年もたっているのに、実は対面で会うのは初めましてという方もいます。※コロナの影響大です。

一方で、フリーランスを束ねるということは自社に片方の足だけ所属している状態の方ばかりとも言えます。昨今、東京が本社の大企業で副業解禁が取り上げられていますが、企業にとって「帰属意識」・・・よそ見しないで自社にフルコミットしてほしいという思いはどこの会社もあると思います。自分の会社だけにそもそもいた人を外のコミュニティや他所の会社に所属させるのは「帰属意識の低下」や「スキルの流失」「離職」といったマイナスイメージもあるかと思います。当社の場合はそもそもが二足の草鞋状態でのメンバー構成なので、その恐怖心はないのですが、どうしたらメンバーがこの組織に所属したい、魅力的と思ってくれるのだろう、どうしたらメンバーのためになるのだろう、と考える部分はあります。また、フルリモートのためそれらを形成するためのコミュニケーション量も圧倒的に少なく、工夫が必要です。

工夫として意識的に取り組んでいる内容は以下の3点です。※もっとたくさんありますが、長くなるので今この瞬間に思いつくものを3つ取り上げます。

①Mission・visionを明確にし、何度も伝える

Mission・visionを使用して「所属させる」のではなくて「所属したい」と思ってもらうことが大切です。Missionはこの集団がどのような社会づくりを目指しているのか「使命」を明記したものです。当社のMissionは「働くことを含めた人生が幸せであると感じる人を増やす」Missionの明記は本当に大切で、すのっぴーずに所属してもらうために、まずこのMissionを違和感なく同意できるかで判断しています。同意できますという言葉尻だけではなく、その方の同意する背景にもスポットを当てます。会社としての事業やお引き受けするお仕事の内容もここから外れたものは行いません。この一貫性が大切だと思います。メンバーとして所属するということは自分の一部を預ける(同じ車に乗り、同じゴールを目指す)ことになるので、これと異なることを始めた場合はそれなりの理由と説明が必要になってくると思います。visionは短期目標「ありたい姿」です。当社のvisionは「あなたの町のキャリアコンサルタント」です。これもMissionと同様、企業としての対外内へのメッセージとなります。

メンバーはこの組織に所属(乗車)することで、自分自身の目指すべき方向や、ありたい姿も一緒に実現できるかもしれない。またそのメンバーがいることで組織としてもMission・visionの達成に近づく、そんな関係性(win-winの高めあいの場)を作りたいと思っています。そのためにもMission・visionは何度も何度も、事あるごとに言っています。例えば、何か仕事を達成した時にMission・visionを出して、皆とともにまた一歩前進し、近づけたことを確認しますし、何か別の取り組みを始めようとするときにもその理由として発信します。

②メンバーのやりたいこと・ありたい姿・叶えたいことを定期的に聴き、挑戦を促す

昨今はやりの「1on1」が頭をよぎった方も多いと思います。おそらく皆さんが思い描く1on1は10分とか30分とかメンバーを呼び出してヒアリングするアレだと思います。それではなくて私たちはキャリアコンサルタントの集団なので日常会話からこういったことを割と深く話せる関係値を築いていて、ちょっとした言葉の違和感や、態度から作業に必要なコミュニケーション以上のコミュニケーションを無意識にとれるようになっています。例えば、LINEのテキストコミュニケーションでも少し違和感を感じたら別途連絡します。1on1というのは「聴く手順」ではなくて、真の意味での「聴く」と、それを反復することでできる関係性から生まれる「本音」でのコミュニケーションのことを言います。当社はそれらを生業にしている集団なので基本的に双方の(話し手も)スキルが整っているため、このあたりがかなりスムーズに機能していると思います。お互いに単なる作業や近況の報告をするだけではなく中長期的な「やりたいこと・ありたい姿・叶えたいこと」を共有しておくことで、そのチャンスが来た時にそのメンバーに依頼をしてみたり、挑戦を促したりしています。挑戦の機会提供も所属理由の一つかもしれません。

③学びの機会を提供

やりたいこと・ありたい姿・叶えたいことを聞いておいて、いざ機会が来た時に、あまりにもハードルが高いとさすがに挑戦できません。その時が来た時のために必要となる「学び」の機会を提供しています。ここで大切なのは「自発的な参加」だと思います。②で聴いた内容に即していればおすすめをするようにもしています。自発的な参加は、さらにやりたいこと・ありたい姿・叶えたいことのメンバー同士での意思表示にもなります。

また当社においての「学びの機会」として参加できるものに、セッション練習や自己開示するシーンも多く、これをすることで②や③とうまく連動するようになっています。

最後に正直なところ・・・

こういったことをしていると、メンバーにさらに自立できるスキルが身につき、他社案件が増え比較され、当社案件が断られるということも出てきます。正直、案件の量が増えれば増えるほど社員で副業禁止にした方がよいのでは?と思うときもあります。ただ、フリーランスでやっていけるほどの実力がある人が社員で収まるのか?収まらないからフリーランスなのだという現実もあります。社員と比較してフリーランスの能力が高いというわけではありませんが、その「覚悟や意気込み」「自己研鑽の力や向上心」を含めて魅力的だと感じるのです。もう巣立つことは前提で諦めて、最大限の成長を支援し、いてもらえる間だけmaxの力を発揮してもらうで良いのでは?という境地にもなってきました(もちろん心は揺れ動きますが)幸いにも、また魅力的な人が加入してきてくれて、何とかなっています。俯瞰してみれば、良い循環のように思います。さらに魅力ある人が所属したくなる組織づくりの「努力」をすればするほど組織は魅力的になるし、その覚悟や意気込みを見てくれている人はきっといます。

会社が副業を解禁することで社員は今よりも魅力を発揮し始めるかもしれません。魅力を発揮しながらその力を「この会社に所属し発揮したい」と思ってもらえれば、お互い様の関係で高めあえる状態になれます。

最後に、書いていて思ったのが「メンバーのことをどれだけ信用できるか」が重要だなと、副業が解禁になり、例えば睡眠時間が削られ自社の商品に影響が出た場合、本人の評価にも響くはずです。その本人がそういった評価をされたくない組織であれば、本人なりに何とか対処するはずです。自信が持てる組織や関係性づくりを組織側が最大限に行って、あとは信じるだけです。